厳密に言うとバイセクシュアルではない
ライブバーで隣に座っていた女が言った。
「私、セクシュアルマイノリティと言っていいのかよくわからないんです」
「どうしてですか」
「一応、シスジェンダーのパンセクシュアルだと言っているんですけど」
「はい」
「男の体しか好きにならないんです」
男の体で、心は女だという人もいる。
そういう人を好きになる可能性はある。
そういう人も対象に含むという意味でパンセクシュアルだと言っているらしい。
でもほとんどセクシュアルマジョリティと変わらないため、セクシュアルマイノリティだと言うのは憚られるとのことだ。
私も厳密に言うとパンセクシュアルだ。
でも、「パンセクシュアル」という概念も言葉もあまり認知されていない。
バイセクシュアルの方がはるかに広く認知されている。
だからバイセクシュアルだと言っている。
要は説明するのが面倒なのだ。
(伝わりやすい方がいい、という思いもあるが)
こういう態度を批判する人もいるだろう。
それでも私は、しばらくはバイセクシュアルだと言うと思う。
ではまた!
きゅうり(矢野友理)