微男微女

日常の考察

【読書記録】べらぼうくん/万城目学

万城目学さんの「べらぼうくん」を読みました。

 

「べらぼうくん」は万城目学さんが浪人時代から小説家としてデビューするまでを綴った奮闘記です。

 

このブログでは主に小説の読書記録を書いてきましたが、今回はエッセイです。実はもともと私はエッセイも大好きで、特に大学生の頃はエッセイ本ばかり読んでいました。

 

他人の人生や価値観、考え方を知るのが好きなんだと思います。

 

エッセイで書かれている万城目さんのご経歴は

大学受験→浪人→京都大学法学部→留年→就職→退職→無職→小説家デビュー

で、エピソードが盛り沢山。面白かったです。

 

中でも一番心にぐっときたのは、海外旅行のあとの感想で、こう書いてありました。

 

国と国が喧嘩すると、そこに属する国民同士も勝手に仲が悪くなる。相手の顔も知らないのに憎しみ合う。本来は人の集合が国を形成したはずなのに、立場が逆転し、国の都合が人の集合をコントロールしてしまう。最悪の場合、戦争を引き連れてきてしまう。互いにどんな国に属していても、人と人は「こんにちは」と言うことはできるのに、ときにそれを阻害する国際政治とは何のためにあるのだろう、と根本的なところに疑問を抱くようになったのである。

 

ウクライナのことを思わずにはいられなかったですし、戦争がなくても、「国の都合」が国民より優先されてしまうことってあるよなーと思ったりしました。

 

ピックアップした箇所はどちらかというと堅いところで、全体的には軽やかな雰囲気があり、読んだら気持ちが楽になったというか、人生に対して楽観的になれた気がしました!

 

べらぼうくん (文春文庫) [ 万城目 学 ]

価格:671円
(2022/9/16 21:06時点)

ではまた!

きゅうり(矢野友理)