微男微女

日常の考察

「何歳だと思う?」と聞かないで

「何歳だと思う?」と聞かないで

「私、何歳だと思う?」と聞かれることがあります。返答に困ります。皆さんもそういう経験はありませんか?

 

子どもは「私、何歳だと思う?」という質問をしません。少なくとも大学生くらいまではこういう質問を聞くことはなかったように思うのですが、いつからか耳にするようになりました。

 

「見た目の年齢」を気にしていなければ(それこそ子どもがこういう質問をしないのと同じで)「何歳だと思う?」という質問は出てこないはずです。そのため、この質問をされた時点で「相手は見た目の年齢を気にしているはずだ」と捉えた方が良いでしょう。

 

言い換えれば、この質問を受けた人には「実年齢より若い年齢を言わなければならない」という圧力がかかっているということです。質問自体に「若く言いなさい」圧力が含まれているとも言えます。


圧力なんてとんでもない。

自分が何歳に見られているか知りたいだけだ。


と質問した人は思うかもしれません。


でも、質問された人にとってこの質問は何の意味も持ちません。意味を持たないどころか、苦痛です。答えたくないというのが本音です。しかし答えないわけにはいかないので、穏便に済ませようと頭を働かせます。そして、相手との関係性を悪くしないために、予想した年齢より若い、相手が喜びそうな年齢を回答します。

 

「若く答える」ことの罠

ところが、ここに罠があります。「若く答える」というのは表面的には相手のことを思っているように見えますが、実は全く逆で、相手を否定する行為なのです。

 

なぜなら、予想した年齢より若く言うというその発想・行為自体が、皮肉にも「年齢は若い方が良い(若く見えた方が良い)」というメッセージになってしまっているからです。

 

たとえば「本当は40歳だと思ったけど、33歳と言っておこう」と考えて「33歳」と回答したとしましょう。この場合、「本当は40歳に見えている」のだから、40歳と答えない選択をしていること自体が「ありのままの現実は良くない」というメッセージになってしまっています。

 

「B型だと思った」と言われない

これは血液型についても同じことが言えます。

 

私はこれまでに友人や会社の人とのコミュニケーションで「血液型は何型?」と聞かれたことが何度かあります。「B型です」と答えると、必ずと言っていいほどこう返ってきます。


「ええーっ! B型には見えない。A型かO型だと思った」

 

このやり取りが1度だけなら、私は何も思わなかったでしょう。もともとどの血液型のイメージが良いか/悪いかなんて考えたこともありませんでした。しかし全員が全く同じリアクションをするとなると、さすがに「これはどういうことだ?」と考えさせられます。そして「B型はイメージが良くないのだ」ということに気づかされます。「イメージが良くないから『B型に見える』とは言えないのだ」と。

 

もしかしたら中には本当に「B型には見えない」と思っている人もいるのかもしれません。本心なのか否か私には判断することはできないです。でも、実際にB型である人に向かって誰一人「予想通りだ」「B型だと思った」と言わないのはどう考えてもおかしいです。全員がB型の人をA型かO型だと思っていたなんてあり得ません。この経験から、B型は“気を遣われる”血液型なのだと思うようになりました。

 

ただ、全員と書きましたが、約1年前に1人だけ「B型っぽい!」という反応をした人がいました。過去にTwitterでも呟いています。


 

それでも、たった1人です。あまりにレアな出来事だったからこそ、Twitter に投稿したのです。

 

繰り返しになりますが、中には本心で言っている人もいると思います。そのため、個別のことは何も言えません。でも全体で捉えると、B型はイメージが良くない血液型で、A型とO型が(性格診断的な意味で)望ましい血液型だと暗に言われているように感じます。

 

皮肉にも、気を遣って「B型に見えない」と言うことが、結果的に「実際にB型である」私のことを否定することになってしまっているのです。

 

最後に、B型のイメージについて補足します。以前Twitterで「B型のイメージは?」というアンケートをとったところ、118票が集まりました。結果は、以下の通りとなりました。

 

良い:11%

悪い:17.8%

どちらでもない:71.2%

 

やはり、悪いイメージを持っている人の方が多いようです。とはいえ、2割弱なので、すごく多いとまでは言えないようにも思いました。これまでの経験から、もっと悪いイメージを持っている人が多いと思っていたので、「意外と少ない」というのがアンケート結果に対する正直な感想です。

 

 

年齢も血液型も事実は一つしかなく、それが正解であるはずです。その事実に「良い」も「悪い」もありません。事実としての正解と、回答すべき正解が一致する社会はくるのでしょうか。

 

ではまた!

 

きゅうり(矢野友理)