【読書記録】叙述トリック短編集/似鳥鶏
似鳥鶏さんの「叙述トリック短編集」を読みました。
前回の「推理大戦」に続き、また似鳥鶏さんの作品です。気に入った著者の方の小説は、他のも読みたくなりますよね。
タイトル通りですが、これは叙述トリックの短編が複数入っている小説です。短編にはどれもトリックがあってそれ単体でも楽しめますし、本全体を通してもトリックが仕掛けられていて、最後まで「やられたー」となります。
仕掛けは全部違う角度からやってくるので、飽きないです。
しかも全部読んで、これで終わりだと思ったら、最後の最後でもう一つ思わぬ方向から大きな仕掛けがあったことを明かされて……すごい作品でした。
これ以上はネタバレになってしまうので言えませんが、気になる方は読んでみてください。
ただ、叙述トリックって読み終えた後、何とも言えない気持ちになるんですね。どんでん返しに一般的という言葉は似合わないですが、いわゆる一般的などんでん返しは盛大に騙されてそれが感動に繋がります。でも叙述トリックはそうはならず、ちょっと心にモヤモヤが残る気がします。
これは「作品」への感想というより、叙述トリックというものにこれまでしっかり触れたことのなかった人間が「叙述トリック」というジャンルに対して抱いた感想です。もしかしたらジャンルとの相性は良くないのかも、と思いました。(それとも慣れの問題……?)
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価格:858円 |
ではまた!
きゅうり(矢野友理)