微男微女

日常の考察

【読書記録】眼球堂の殺人 ~The Book~/周木律

周木律さんの「眼球堂の殺人 ~The Book~」を読みました。

 

どういうお話かというと、

天才建築学者がつくった眼球堂に各界の天才が集められ、そこで事件が起こって閉じ込められてしまいます。数学者の十和田只人が解決に向けて頑張るのですが、その間にも次々に事件は起こり……

というものです。 


眼球堂はものすごく変わった建築物で、小説の中とはいえ「よくこんなの作ったなー」と、発想が面白くてそれだけでもワクワクします。

そして、ラストのどんでん返しにも驚かされました。

ただ、どんでん返しに関しては…

すごく良かったのですが、タイミング悪く直近に読んだ作品と同じパターンだったので、その分感動が少し薄れてしまいました。同じジャンルの本を立て続けに読むとこういうこともありますよね。


ちなみに、いかにも理系っぽい感じのタイトル、あらすじ、表紙ですが、数学や建築の知識がなくても楽しく読める作品になっています。


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ではまた!

きゅうり(矢野友理)

【読書記録】medium 霊媒探偵 城塚翡翠/相沢沙呼

相沢沙呼さんの「medium 霊媒探偵 城塚翡翠」を読みました。


ミステリランキング5冠、という謳い文句に惹かれて手に取った本で、死者が視える霊媒・城塚翡翠と、推理作家・香月史郎が連続死体遺棄事件に立ち向かうお話です。

 

実を言うと、途中まで城塚翡翠のキャラクターが好きではなかったのですが、最後まで読んだら好きになっていました。

 

前半はホラーっぽさもあって夜中に読んでいた私は怯えてしまったのですが、いろんな事件がきれいに推理されていくのが面白くて、震えながらもページをめくる手が止まりませんでした。

 

最後のどんでん返しも素晴らしくて、しかも読者を混乱させるようなものではなく、すごくスッキリするタイプのどんでん返しでした。


どういうことだったのか、意図は何で、何がどういう伏線になっていたのか、が作品の中で丁寧に説明されているので、納得感とスッキリ感があるのだと思います。

 

「invert  城塚翡翠倒叙集」という続編も出ているみたいなので、早く読んでみたいです。

 

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きゅうり(矢野友理)

【読書記録】三千円の使いかた/原田ひ香

原田ひ香さんの「三千円の使いかた」を読みました。

ベストセラーで本屋さんでもよく見かけ、気になっていた本です。

 

御厨家の女性四人がそれぞれお金とどう向き合っていくか、というストーリーで、自分とまったく同じ境遇の人は登場しないのですが、読みながら「そういう悩み、ありそう」と自分事として考えられる作品でした。

 

いろんな人の人生を、お金を通して知ることができます。

 

お金って誰にとっても大切なものですよね。でも友人と明け透けに話題にできるかというとそうでもないですし、何なら家族や恋人とも、全てを話せるわけではなかったりします。だからこそ、こうして物語を通じていろんな立場の人のいろんな懐事情や考え方を知れるのはとても面白いです。あっという間に読み終えてしまいました。

 

たとえ登場人物に感情移入できなかったとしても、「お金」に興味がある人なら誰でも楽しく読めると思います。

 

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きゅうり(矢野友理)

【読書記録】向日葵の咲かない夏/道尾秀介

道尾秀介さんの「向日葵の咲かない夏」を読みました。

 

以前も書きましたが、この方の文章はスッと頭に入ってくるので、本当に読みやすいです。ただ、読みやすいのはあくまで「文章」で……「内容」は……ある意味読みにくかったです。私、怖いのが苦手なので。

 

どういうお話かざっと説明します。

小学生の男の子が欠席したクラスメイトの家にプリントと宿題を届けに行くと、そこでクラスメイトは首をつって死んでいました。しかし死体は消えてしまい、一週間後彼は蜘蛛に姿を変えて現れ、「自分は殺された」と訴えるのです。そこで男の子は妹と一緒に事件を追い始めます。

 

私はこれをミステリーだと思って手に取りました。しかし読み終えた今言えることは、たしかにミステリーではあるのですが、ホラー要素と純文学的要素がかなり強い作品だということです。真相が気になってページをどんどんめくるのですが、そのたびに怖くてゾゾゾッとなりました。また「実際に行動に移すことはないけど、そういう気持ちはわかる気がする」という描写がいくつもあり、自分の中の感情が揺さぶれたり考えさせられたりしました。

 

巧みな仕掛け、構成力、文章力で、作品としては本当に素晴らしいです。ただ、怖いものが苦手な人は少し覚悟が必要かもしれません。

 

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きゅうり(矢野友理)

【読書記録】叙述トリック短編集/似鳥鶏

似鳥鶏さんの「叙述トリック短編集」を読みました。

前回の「推理大戦」に続き、また似鳥鶏さんの作品です。気に入った著者の方の小説は、他のも読みたくなりますよね。

 

タイトル通りですが、これは叙述トリックの短編が複数入っている小説です。短編にはどれもトリックがあってそれ単体でも楽しめますし、本全体を通してもトリックが仕掛けられていて、最後まで「やられたー」となります。

仕掛けは全部違う角度からやってくるので、飽きないです。

しかも全部読んで、これで終わりだと思ったら、最後の最後でもう一つ思わぬ方向から大きな仕掛けがあったことを明かされて……すごい作品でした。

これ以上はネタバレになってしまうので言えませんが、気になる方は読んでみてください。

 

ただ、叙述トリックって読み終えた後、何とも言えない気持ちになるんですね。どんでん返しに一般的という言葉は似合わないですが、いわゆる一般的などんでん返しは盛大に騙されてそれが感動に繋がります。でも叙述トリックはそうはならず、ちょっと心にモヤモヤが残る気がします。

これは「作品」への感想というより、叙述トリックというものにこれまでしっかり触れたことのなかった人間が「叙述トリック」というジャンルに対して抱いた感想です。もしかしたらジャンルとの相性は良くないのかも、と思いました。(それとも慣れの問題……?)

 

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きゅうり(矢野友理)

【読書記録】推理大戦/似鳥鶏

似鳥鶏さんの「推理大戦」を読みました。YouTubeでおすすめしている人がいて、気になっていた本です。

 

内容は、

「問題」を一番早く解いた人に聖遺物が与えられるという、聖遺物争奪ゲームに天才たちが参加する。果たしてどうなるか。

というものなのですが、大袈裟でもなんでもなく、ラストで衝撃を受けました。

「えっ、そういうこと?」と。


ただ、途中、違和感はあったんです。だから結末を知って驚くと同時に、納得感もあってすっきりしました。

 

天才たちが競い合うという設定、面白そうですよね。実際、天才たちの推理を読むのは楽しかったです。でも、ラストで明らかになる事実は、その天才たちの頭脳を上回るものでした。

 

おすすめです。

 

 

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きゅうり(矢野友理)

【読書記録】カエルの小指/道尾秀介

道尾秀介さんの「カエルの小指」を読みました。

 

この前読んだ「花と流れ星」がすごく良かったので、同じ作者さんの本を手に取ってみた、という経緯です。

【読書記録】花と流れ星/道尾秀介 - 微男微女

 

元詐欺師の主人公が、ある中学生のために大掛かりなペテンを仕掛けるというストーリーで、


読んだ感想は……手の込んだ作品というか、練りに練られている感じがするというか……とにかく驚きの連続でした。

 

どんでん返しがある小説って、最後にすべてがひっくり返るような大きなサプライズが待っているのが一般的だと思うのですが、これはもう、いたるところにどんでん返しがあって、ページをめくるたびに「えっ、そういうことだったの?」と驚き続け、最後の最後まできれいに騙されました。

 

頭の中の「事実」が何度もころころ変わるのに、全然混乱しなくて読みやすかったです。「花と流れ星」を読んだ時も思ったのですが、やっぱり私は道尾秀介さんの文章がすごく好きです。

 

この作品は「カラスの親指」の続編らしく、「カラスの親指」はまだ読めていないので、近いうちに読みたいと思います。(読んでいなくても充分楽しめました!)

 

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きゅうり(矢野友理)

【読書記録】青少年のための小説入門/久保寺健彦

久保寺健彦さんの「青少年のための小説入門」を読みました。

 

タイトルから、小説の書き方を教えてくれる指南書かな、と思ってしまいそうですが、実はいじめられっ子とヤンキーがコンビを組んで小説家を目指す青春小説です。

 

あっと驚く展開はないものの、飽きないストーリーで気がつけば最後まで一気読みしていました。


読み終わった感想は……

「人生、切ない……」

です。


小説って現実ではあり得ないようなこともたくさん起こるじゃないですか。でもこの本では「ああ…やっぱり思うようにいかないよね」という場面がいくつもあります。ハッピーエンドではありません。(人によってはハッピーエンドと思えるかもしれませんが。)それがもどかしくもあり、余韻に浸れる要素でもあると思いました。

 

間違いなく言えるのは、この本を読むと小説が好きになれるということです! もとから好きな人は、さらに好きになれます。

 

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きゅうり(矢野友理)

コロナ感染から1年が経過しました

コロナに感染してから1年が経過しましたが、まだ倦怠感と息切れの症状が消えません。

という報告のブログです。

 

倦怠感は日によって強かったり弱かったりします。特に上半身の症状が重いです。

 

息切れは歩いた時だけ出る症状で、距離が短ければあまり問題はありません。

 

倦怠感と息切れ……言葉のニュアンス的には息切れのほうがいかにも「コロナ」という感じがして大変そうに聞こえるかもしれませんが、個人的な感覚としては倦怠感のほうが遥かに厄介です。

 

一体いつになったら完治するのだろうと思いつつも、クヨクヨしていても仕方ないので、時間がたっぷりあるメリットを活かして小説を書いたり読んだり、無理のない範囲でやりたいことをやって日々過ごしています。もちろん、リハビリも頑張ってます!

 

それにしても、こんなに長引いている人、どのくらいいるんでしょうね。早く治るといいのですが……。

 

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きゅうり(矢野友理)

カメ子の性別は、たぶん……

カメ子は赤ちゃんの頃、性別不明でした。店員さんからもミシシッピニオイガメの性別は成長しないとわからないと言われていて、オスかメスかわからないまま育ててきました。

 

でも、カメ子が我が家に来てから2年半以上が経過した今は、性別が判明しています。私の判断なので100%正しいとは言い切れないのですが、カメ子はたぶんオスです。

 

根拠は主に2点あります。

 

1:爪が立派

 

2:お腹がへこんでいる

 

どちらもオスの特徴です。


他にも雌雄を判別するポイントはいくつかあって確認したのですが、この2点が最も特徴的でした。

 

「カメ子」という名前から、多くの人はメスを想像するような気がしますが、オスでもメスでもカメ子は変わらずカメ子です。

 

これからもカメ子をよろしくお願いします。


そして私はオスだと思いましたが、もし違っていたら教えてください。

 

 

ではまた!

きゅうり(矢野友理)